2015年 07月 17日
星野佳路氏の講演を聞く |
リゾナーレや星のや、界などの高級ラグジュアリーホテルを展開している星野リゾートさん。
その社長をされている星野佳路氏の講演を聞きに行きました。
題して「観光立国への道」
記憶を頼りに、内容をまとめてみます。
1.星野リゾートの会社紹介
軽井沢に温泉ホテルを営業。今年で創立100年。
氏は5代目。いわゆる同族企業ですね。
上場はしていませんが、一部のホテルを組み込んだリートを立ち上げて2年前に上場。
→ですので、星野リゾートに投資したい方は、リートを買ってみてもいいかもしれませんね。もちろん投資はあくまで自己責任で。
氏はスキーを趣味にされていて、年間60日はいかれるとか!
2.星野リゾートとしての基本的な経営戦略
マイケルポーターという米国の著名な経営学の教授に示唆を受けていて、
・ホテルの運営に特化(所有と経営の分離)
・トレードオフの関係のある分野こそが競争過剰に陥らないこと
というが基本戦略なのだとか。
→所有と経営の分離は、HiltonやHyattなど、欧米でこそ当たり前ですが、日本での先駆者ということですね。
資産を所有しないという戦略は、借入などの重荷がなくなるというメリット。
一方、いつ首を切られてもおかしくないし、自分がいいと思う施設の改装などができない恐れも。
3.観光立国とするためにはどうすればいいのか
インバウンド数は過去世界で25~35位で推移している。
最近外国人観光客が増加していると言われるが、他国も増加している。
ただ単に、世界全体の観光需要が増加しているだけ。
日本のおもてなしが評価されているというのは表面的。
インバウンドは一極集中傾向が強い。東京・京都・大阪・北海道。
分散させることが国の利益になる。
世界的な研究機関で評価が高いのはスイス。
行ってみると、交通機関がつながっている。飛行機・新幹線・バス・施設。
日本で新幹線が繋がっている空港はない。静岡空港の地下を新幹線は走っているが・・・
日本の地方空港は、成田より韓国の仁川便の方がはるかに多い。
しかも、それは韓国の航空会社に地公共が補助金出して維持している。
おかしいでしょ?
現在の日本の観光需要はやはり日本人が支えている。
海外から呼び込むんだ、という政府の掛け声はいいのだが、
日本人の需要が減少したらインバウンドで増加しても意味がない。
特に2~30代の男性の旅行の減少が著しい。逆に2~30代の女性の増加は著しいが。
女性は友人同士、あるいは母娘での旅行をしてくれる。
おじいちゃんおばあちゃんとお母さん(=娘)、そしてお孫さんの旅。これが重要。
生産性という点で日本は低すぎる。
年末年始やお盆、GWや土日という100日の黒字の日とそれ以外の265日の赤字の日。
繁忙期と閑散期が激しいのに正規社員を雇うことは無理。
差が激し過ぎるのが一因。1つには、GWを分散すればいいと思う。
これだけで地域活性化に相当つながると思う。
4.最後に
「観光産業は平和維持産業である」
→との言葉にはっとさせられました。そうか。
自衛が不要になることはないと思うけれど、皆が日本を好きになってくれたならいいよね。
1時間半の講演。
理路整然として、なおかつ経営者として結果も出している。
話はうまいけれど地に足がついた分析に立脚していて。
こういう一流の経営者を見ると、
巷にはびこる似非コンサルタントに対して腹立たしく思うのです。
その社長をされている星野佳路氏の講演を聞きに行きました。
題して「観光立国への道」
1.星野リゾートの会社紹介
軽井沢に温泉ホテルを営業。今年で創立100年。
氏は5代目。いわゆる同族企業ですね。
上場はしていませんが、一部のホテルを組み込んだリートを立ち上げて2年前に上場。
→ですので、星野リゾートに投資したい方は、リートを買ってみてもいいかもしれませんね。もちろん投資はあくまで自己責任で。
氏はスキーを趣味にされていて、年間60日はいかれるとか!
2.星野リゾートとしての基本的な経営戦略
マイケルポーターという米国の著名な経営学の教授に示唆を受けていて、
・ホテルの運営に特化(所有と経営の分離)
・トレードオフの関係のある分野こそが競争過剰に陥らないこと
というが基本戦略なのだとか。
→所有と経営の分離は、HiltonやHyattなど、欧米でこそ当たり前ですが、日本での先駆者ということですね。
資産を所有しないという戦略は、借入などの重荷がなくなるというメリット。
一方、いつ首を切られてもおかしくないし、自分がいいと思う施設の改装などができない恐れも。
3.観光立国とするためにはどうすればいいのか
インバウンド数は過去世界で25~35位で推移している。
最近外国人観光客が増加していると言われるが、他国も増加している。
ただ単に、世界全体の観光需要が増加しているだけ。
日本のおもてなしが評価されているというのは表面的。
インバウンドは一極集中傾向が強い。東京・京都・大阪・北海道。
分散させることが国の利益になる。
世界的な研究機関で評価が高いのはスイス。
行ってみると、交通機関がつながっている。飛行機・新幹線・バス・施設。
日本で新幹線が繋がっている空港はない。静岡空港の地下を新幹線は走っているが・・・
日本の地方空港は、成田より韓国の仁川便の方がはるかに多い。
しかも、それは韓国の航空会社に地公共が補助金出して維持している。
おかしいでしょ?
現在の日本の観光需要はやはり日本人が支えている。
海外から呼び込むんだ、という政府の掛け声はいいのだが、
日本人の需要が減少したらインバウンドで増加しても意味がない。
特に2~30代の男性の旅行の減少が著しい。逆に2~30代の女性の増加は著しいが。
女性は友人同士、あるいは母娘での旅行をしてくれる。
おじいちゃんおばあちゃんとお母さん(=娘)、そしてお孫さんの旅。これが重要。
生産性という点で日本は低すぎる。
年末年始やお盆、GWや土日という100日の黒字の日とそれ以外の265日の赤字の日。
繁忙期と閑散期が激しいのに正規社員を雇うことは無理。
差が激し過ぎるのが一因。1つには、GWを分散すればいいと思う。
これだけで地域活性化に相当つながると思う。
4.最後に
「観光産業は平和維持産業である」
→との言葉にはっとさせられました。そうか。
自衛が不要になることはないと思うけれど、皆が日本を好きになってくれたならいいよね。
1時間半の講演。
理路整然として、なおかつ経営者として結果も出している。
話はうまいけれど地に足がついた分析に立脚していて。
こういう一流の経営者を見ると、
巷にはびこる似非コンサルタントに対して腹立たしく思うのです。
by tono_1968
| 2015-07-17 07:00
| ストーブリーグ